色を愛する

本質派コスメ カラフルオーガニック代表のつぶやき

新しい生き方「オーガニック」

今日は日本の「オーガニック」を取り巻く環境について、考察したいと思います。

 

 オーガニックコスメや、オーガニック生活、というようなことを2011年頃から発信してきて、また、オーガニックコスメの開発・販売をしてきて、それに対して、本当にいろいろな反応があることを感じてきました。「オーガニック信者」がいたり、また「アンチ」がいたり、「こだわりすぎ」だとか「ゆるく」だとかいう論争があったりと、「オーガニックは良い」という同じ結論も持ちながらも、なぜか論争が巻き起こっている、そういう状態をたくさん見てきましたし、経験もしてきました。それはなぜだろう?ということをずっと考えていました。

 

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 オーガニックは、一般的には、「身体やお肌にいいもの」というようなイメージです。しかし、いざオーガニックな生活をしようと思うと、まず商品の価格が高い!という壁にぶち当たり、そこでオーガニックを諦めてしまうケースも多いですね。

 でもそこから、高いのはなぜだろう?と考えていくと、生産者、日本の農業の問題に辿り着きます。なぜ、人間が作った薬を使わないと作物を作ることができないのか。昔は農薬などなかったはずなのに・・・

 


 そう考えていくと、不揃い野菜や虫食いの野菜は売り物にならないという現状であったり、流通の仕組みであったり、結果としてオーガニックで作物を作り流通に乗せる難しさ、添加物を減らして流通に乗せることの難しさ、そして、日本で許可されている農薬や添加物の種類の圧倒的な多さ、農薬使用量が世界ベスト3であること、大量生産大量消費の問題、多国籍企業の世界的な広がり、地球環境の問題、そこまで辿り着くことになります。これは、疑問に思うことを調べてゆくと、自ずと、芋づる式にそうなります。

 


 軽い気持ちで、「オーガニック」という実を引っこ抜こうとすると、
こんなに長く深い根っこが、ドロドロと出てきてしまいます。一見、日常生活には関係ないことばかりで、考えたくもないことばかりかもしれません。ドン引きだし、もうオーガニックなんて面倒くさいこと言わずに楽しく暮らしたい!そう思うかもしれません。

 

「オーガニック」は根っこがとても深い。 
  

  

今の日本は、「経済優先」の思考が浸透しています。これは、日本の高度経済成長を支えた戦後日本人の思考でもあるのですが、生産性ばかりを重視するあまり、その弊害として、人の心であったり、カラダに良いもの、地球に良いものを選ぶ、という当たり前で大切なことが、何十年も置き去りにされてきたという現実に気づき始めたのが、3.11以降なのではないでしょうか。


 しかし経済優先の社会は未だ続いていて、不景気も続いていて、人々の健康よりも、企業の論理や経済の方が優先される社会では、コストがかかり、利益率の低いオーガニック製品を作ったり、または高いオーガニック製品買ったりしていくことは、ある意味「少し変わった」ライフスタイルという位置づけになってしまうのかもしれません。あるいは、オーガニックは、アレルギーやカラダの不調に悩む、一部の人のもの、というイメージもあるかもしれませんね。

 

  ただ、そんな日本を尻目に、世界的には大きな流れが起こっています。
日本ではあまりニュースになっていませんが、これは大きな大きな流れです。

 

 1830年代にイギリスで始まった産業革命以降、「工業品」の「大量生産モデル」が確立され、それは世界中に波及し、莫大な富を生み出しました。それから約200年。今度は、そのモデルによって失ったものを、取り戻す動きが始まっているのです。

農薬も添加物も、遺伝子組み換え作物も、プラスチックも、人間を含めた生き物、生態系を壊すものは、使わないようにしていこう、という流れです。個人的な流れではなく、国家としてそのような国家運営をしていこう、という大きな流れです。

 

たとえば農薬

ネオニコチノイド農薬:各国の規制状況

ネオニコチノイド系農薬は、生態系を破壊する毒性の高いものとして、近年、世界各国で規制が進んでいる農薬です。



たとえば遺伝子組み換え作物
EUもロシアも、遺伝子組み換え作物を締め出しています。

eigokiji.cocolog-nifty.com


たとえばプラスチック。

www.tokyo-np.co.jp

海洋に投棄されるプラスチックは、海の生態系を壊し、海洋生物を食する人間にも影響が及ぶことが分かっています。世界各国がプラスチックを規制し地球環境を守ろうとする流れの中、プラスチックの排出を規制する国際憲章への署名を、日本は拒否してしまいました。

 

 現在、日本で病気が増えていることも、こういった問題に対する日本の対応の遅れや、緩い規制、経済優先の政策、その政策の下で、日本で作られる食べ物や商品の成り立ちと無関係ではありません。

 2020年の東京オリンピックでも、各国の選手が食べる食事の食材を、日本では基準を満たすものが調達できない(足りない)ということで、問題になっていますが、日本の残留農薬基準は、世界的に見て非常に緩い、これは日本人が知らない日本の話です。

  
 

日本人の、「オーガニック」に対する戸惑いや拒否反応のようなものは、国レベルでも個人レベルでも、「経済優先でやってきた成功思考」を転換しなければならない、ということに気づいてしまい、それに対する無意識の抵抗なのではないでしょうか。経済優先の価値観は、高度経済成長を成し遂げたという日本人の成功体験とともに、その人の人生観となって、その人自身に染み込み、その価値観に基づいて、日々の選択、人生の選択をしているわけです。「オーガニックという考え方」を受け入れるには、そこを変えていかないといけないわけですから、抵抗感も持つし、受け入れるには時間がかかることなのかもしれません。

 

 そう考えると、「オーガニック」はひとつの「在り方」でもあり、「生き方」でもあると言えるのかもしれません。

 
 オーガニックブームによる、「なんだか楽しそうで美味しそうな」オーガニックでもよいと思います。でも、「オーガニックの本当のところ」知るには、オーガニックの根っこの部分を知る必要があるし、考えていく必要があると思っています。そこを抜きにして、オーガニックがいい、悪い、という話は、できないのではないかと思うのです。 

 

 日本人は、社会問題、環境問題、政治問題を語ろうとすると、どうしてもイデオロギー論争(右だとか左だとか)になり、思考停止してしまい、本質的な議論が深められていないのが現実だと思います。オーガニック論争は、そういったデリケートな問題もはらんでいて、取扱いがなかなか難しい。

  


 しかし、そんな日本でも、消費者の健康を考えたものを作って売る、お肌に良いモノを作って売る、そして、地球に優しいモノを作って売る、という企業や農家さん、事業者が、ここ数年、じわじわと増えてきていると感じています。カラフルオーガニックももちろんその中の一員のつもりです。そして、そういうものを支持する人たちも増えてきている。作る人も買う人も増えている。すなわち、オーガニック市場が拡大している。ということです。 

 

 「オーガニックが儲かるからやる」という事業者は、今後は淘汰されていくと思います。「オーガニック」は新しい「在り方」だからです。個人レベルでも、自分だけが健康になればいい、自分だけが美しくなればいい、というレベルではなく、「地球の一員として、オーガニックを選ぶ」という、大きな視点が必要になってくると思います。

 

 私自身、そしてカラフルオーガニックは、そんな在り方を、今後も追求していきたいと思っているのです。

 

 そして、日本人が「オーガニックという生き方」に戸惑い、迷ったり苦しんだりしながらも、少しずつ受け入れていく、また自ずと浸透していく、今現在のこのプロセスは、後に、日本の歴史的に大きな大きな転換点となる出来事として、認識されていくであろうと思っているのです。