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カラフルオーガニック代表のブログ

ピアノ防音工事①~音楽の道に進まなければ無駄な投資となるのか~

今年の2月、住んでいるマンションの一室に防音工事を施しました。

 

その当時、娘小学3年生。可能な限りの対策(アップライトと電子ピアノを併用、週末や盆暮れ正月、長期休暇はレッスン室に練習に行くなど)をやっていましたが、マンション住人の方からの苦情が続き、決意しました。

「ピアノ可」のマンションでの話です。

※電子ピアノのみの練習・消音機能・イヤホンでの練習は我が家では選択肢にありませんでした

 

決めるまでには、2年近く悩みました。

その間、ピアノの先生もかわりましたし、果たして娘は音楽の道に進むのだろうか?
娘が将来音楽の道に進まないのなら、防音室は無駄な投資だった、という気持ちになるのだろうか、ということを考えました。でも、すぐに結論など出るはずもありません。
 

 

工事を決めたのは、娘の進路が決まったからではなく、

苦情のレベルがもう日々の5分の音出しすら難しくなっていたこと、

娘が音楽を大好きで愛しているのなら、職を得るためにその道に進むかどうかということは問題ではなく、音楽を楽しめる環境を作ってあげることは、娘の魂が喜ぶことであり、親としてやってあげられることの中で最高に素晴らしいことなのではないか、と思えたこと、でした。

 

苦情の内容からして、組み立て式や簡易防音の防音性能では対応不可能だとわかっていたので、本格的な防音工事のみを検討しました。

そんな折、知り合いのピアニストの方が、自宅の防音工事をお願いした業者さんがとてもよかったということで、その音楽専門防音業者さんを紹介してくださり、実際お話をうかがって、そこにお願いすることに決めました。

 

子ども部屋(ピアノ部屋)の学習机やピアノ、押し入れの中身をすべて他の部屋に移動させ空っぽにしての工事スタート。リビングも荷物や家具でギュウギュウになり生活は不便でしたが、2週間に渡る工事のプロセスはとても心躍るものでした。

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工事1日目の夜

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浮き床工法

床材と土台の間に防振材を挟み、振動が直接下階に伝わらないようにする工法です。

楽器の防音だけでなく、足音などによる振動の吸収効果も高いので、靴で部屋の中を歩くヨーロッパでは、この浮き床工法を採用している住居も多いのだそうです。

 

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床材と壁も、触れないように数センチの隙間を作ります

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元々の壁から15~20cm壁が厚くなります

 

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6面それぞれが15~20cm厚くなるので、少しでも部屋が広くなるように押し入れも取り壊しました。部屋が一番広くなった瞬間でした。

 

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リビングとの境は二重のガラスサッシ

 音や熱の漏れというのは、ガラスのサッシ部分を通じて漏れる量が70%以上と言われています。ですので、防音や断熱を考えるのであれば、ガラスや窓は少なく、なるべく壁にするのがベストなのですが、リビングから続くピアノ室、ということを考えると、

すべて壁にしてしまうのはかなりの圧迫感にるため、このガラスの2重の引き戸にしてもらいました。サッシの素材はアルミではなく樹脂。樹脂の方が防音・断熱効果が高いと言われています。

 

 余談ですが、「モノづくり大国 日本」の窓の性能は世界でもかなりの低いレベルにあるそうで、ヨーロッパの基準には遠く及ばず、同じアジアである韓国・中国の住宅の基準にも満たない性能の窓が、日本では標準として使われているという現実があります。

詳細はこちらをどうぞ。驚きの事実です。

低い断熱性なぜ放置、世界に遅れる「窓」後進国ニッポン

 

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下半分を壁にした窓は、厚いガラスの三重窓。

もともと掃き出し窓だったところは、下半分を壁にして、上部だけの窓に。しかも開かずの窓(サッシ部分がなくなり1枚ガラスになるため、さらに防音効果が高くなる)となりました。既存の窓にプラスして、2枚の厚いガラスを入れて3重窓です。

これでベランダにはほとんど漏れないか、回りがしーんとしていれば、かすかに聞こえる程度となりました。

 

つづく